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牛乳・乳製品のWebページからコンセプトを考える

情報デザイン

ミルククラウン

過去の発表した授業は、今ではやっていないものもありますが、振り返ることで私自身の次のアイデアにつながることもあるので、過去の発表振り返りシリーズを不定期で入れたいと思います。

過去の発表から

2011年8月に行われた第4回全国高等学校情報教育研究会全国大会(大阪大会)で、「制作意図を言語化する授業の実践」というタイトルで発表しました。その時の発表資料と発表スライドを掲載します。

概要は次のようなものです。牛乳・乳製品メーカーのWebページを題材に、どのようなコンセプトで各社がブランド戦略を立てWebページに落とし込んでいるかを、生徒に考えさせて言葉で表現させることを実践しました。また、牛乳・乳製品メーカー各社のWebを比較して表現方法を考えたことをもとに生徒が自身のWebページのコンセプトを決めて、そのコンセプトを実現するWebデザインを施して作成する授業を行いました。

牛乳・乳製品?

なぜ牛乳・乳製品メーカーを題材に扱ったのでしょうか。突然ですが、大好きな牛乳・乳製品メーカーはありますか?また、牛乳を飲み比べて味の違いに気が付くことができますか?もちろん酪農家がおいしい牛乳になるように様々な工夫をしていることや、牛乳・乳製品メーカーがファンを獲得しようとしていることには思いをはせています。それでも、私だけかもしれませんが、特に牛乳に強い思い入れをしているわけではありません。

生徒も同じように、特定のメーカーに肩入れしていないだろうと考えました。(牛乳・乳製品メーカー・酪農家の皆さま 本当に申し訳ありません。)生徒が強い先入観を何も持たずに、純粋にWebのコンセプト、ブランド戦略、それらを実現するデザインを考えることができると思い、授業の題材にしました。

実際にWebを見てみると、白と青を主体とした雪印メグミルク、黄色を前面に押し出している小岩井乳業、赤いロゴと子どもをモチーフにしたキャラクターが印象的なチチヤスなど、他社との差別化を図るWebページになっていました。

どのように授業化したか?

授業化するにあたり

2009年(平成21年)に告示された学習指導要領では、思考力・判断力・表現力を育むことが課題とされていました。思考力・判断力・表現力を育むための学習活動として、言語活動の充実が情報科だけでなくすべての教科で求められました。学習指導要領の中でも6つの学習活動の例をあげて、「言語活動の充実」がスローガンに終わらないよう記述されていました。

少し話が横道にそれますが、「言語活動の充実」という表題だけがひとり歩きしてしまったように感じています。単に意見を交換するだけの授業、何か文章を書いておしまいの授業などでも、言語活動をしているというように受け止められてしまったように思います。本来求められていた思考力・判断力・表現力の育成が十分にできたか評価・検証し、授業改善まで結び付けていくことが重要だったと思います。

さて、ハードルを上げすぎたところで授業の話を書くのは気が重いですが、表題のどのように授業化したかの話に戻ります。

Web→コンセプト

まず、生徒にWebページを見てもらい、生徒どうしで意見を交換して、自分の考えと他の生徒の考えの差があることを知ってもらいました。他の生徒の意見を踏まえて、もう一度生徒自身で考えてもらい、アンケートフォームで回答してもらいました。文章の記述量としては多くありませんが、学習指導要領に示された活動の ④情報を分析・評価し論述する ⑥互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる 活動に相当します。

アンケートフォームで回答してもらっているので、紙とは違い生徒が書いたことを共有することができます。中間モニターに集約した結果を表示するとともに、生徒が自分のパソコンから集約した結果を見られるようにしました。これにより、グループではない席が離れた場所にいる生徒が考えていることも知ることができ、他の生徒の考えをもとにして自分の考えにもう一度フィードバックすることを意図しました。

授業の目的が達成されたかどうかを測る指標は、生徒がWebページの制作意図やコンセプトを考えることができたかということになります。生徒側の視点に立てば、根拠を持って制作意図やコンセプトを考えて言葉で表現できたかどうかということになります。

当時はまだGoogleフォームという便利なものがなかったので、PHPで回答フォームや集計結果を表示するシステムを記述したのは懐かしい記憶です。このフォームのプログラムが残っているか怪しいですが、機会があれば取り上げるかもしれません。

授業内容でも取り上げていない内容があるので、別の機会に別の視点で振り返りたいと思います。

この発表を取り上げた理由

2018年(平成30年)告示の学習指導要領で、情報Ⅰ・情報Ⅱに再編されました。情報Ⅰの中には、「コミュニケーションと情報デザイン」という項があります。学習指導要領解説を読んでも、直接そのままの授業というものではありませんが、目的や意図を持った情報を受け手に分かりやすく伝達する、目的や受け手の状況に応じて適切かつ効果的な情報デザインを考える力といった記載があります。

牛乳・乳製品といった意図を感じにくいものから意図を読み解いていくという授業が、うまく結びつかないかと思いました。それを考えるきっかけになるよう、この授業を振り返りたいと思い、この発表を取り上げました。

この記事を書いた人
春日井 優

高校で情報科という教科を担当しています。以前は数学科も担当していました。(今でも数学科の教員免許状は有効です。)プログラムを覚えたのは、「ゲームセンターあらし」という漫画のキャラクターがBASICを解説する「こんにちはマイコン」を読んだことがきっかけでした。

Posted by kasugai