なぜ色が見分けられるの?

情報のディジタル化

目

こんにちは。今日は色についての話になります。残念ながら自分ではコンテンツを持っていないので、色に関するリンクを集めていきたいと思います。

はじめに

情報の授業で、光の三原色と色の三原色について学習します。ところでなぜ三原色なんでしょうか?「覚えなさい!」と言われて単に暗記しているだけでも、電気屋さんでプリンタのインクを買うのには困りません。

しかし、色についての知識が広がらないために虐げられている人がいます。以前、免許センターに行ったときにひどい光景を目にしました。免許を取りに来た人が色覚検査の検査官から「お前はバカか!なんでこれがピンクに見えるんだ?色の勉強をして出直してこい!」と怒鳴られていました。ひどい人権侵害です。

最近ではすべての人が同じように色を見えているわけではないという認識が広がっています。鉄道の路線図など「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」という取り組みによって識別できるような工夫がされるようになってきました。

単に「三原色」・「ユニバーサルデザイン」を別々に扱うのではなく、関連付けて考えていくことが必要だと思っています。

それではリンクを紹介していきます。

なぜ三原色なのか?

私が子供の頃どこで覚えたかは忘れましたが、なんとなく光の三原色を知っていました。理科の実験などでプリズムを使って分光するのを見て不思議に思っていました。特に紫は原色ではないのに可視域の中でも端にあるのが謎でした。

私達が色を認識するのは、目の中にある視細胞が大きく役割を果たしています。網膜には桿体細胞と錐体細胞という2種類の視細胞があります。どのような波長の光が目に入り、それによって視細胞がどの程度反応するかによって色を認識しています。それでは、それぞれの視細胞の働きについてまとめます。

桿体細胞は感度がよく暗いところで働きますが、色を区別することができません。

それに対して錐体細胞は明るいところで働き、色を感知することができます。この錐体細胞にはL錐体、M錐体、S錐体の3種類あります。L錐体は波長が約560ナノメートルの光(赤色)、M錐体は波長が約530ナノメートルの光(緑色)、S錐体は波長が約430ナノメートルの光(青色)に最も反応します。これらの細胞が受けた刺激を脳で統合して色を認識します。3種類の錐体細胞がそれぞれ最も強く反応する波長の色が光の三原色です。

色覚特性

色を感じるのは3種類の錐体細胞の刺激を統合して認識するのですが、必ずしもすべての人が3種類とも機能しているわけではありません。そのため、色の区別がつきにくくなってしまう人がいます。

  • 赤い光を感じるL錐体がない(弱い)人のP型色覚
  • 緑の光を感じるM錐体がない(弱い)人のD型色覚
  • 青い光を感じるS錐体がない人のT型色覚
  • 錐体細胞が1種類または錐体細胞を持たない人のA型色覚

では色の見え方が異なってきます。

色をすべて区別できない理由としては、先天的な理由と後天的な理由があります。ここでは、先天的な理由について触れておきます。L錐体とM錐体はX染色体に乗っています。うまくL錐体・M錐体の遺伝子を引き継ぐことができない場合、錐体細胞が欠けてしまします。この発生頻度は男子では約5%、女子では0.2%といわれています。

色は情報になるとは限らない

色を区別して情報を伝えることはよく行われています。例えば、マーカーで色を付けたり、大事なことに色を付けて表現したり、日常の中を振り返るとありとあらゆるところで色を使って情報を伝えようとしています。しかし、色覚特性により、色の区別がつきにくい人も少なからずいます。せっかく工夫した色が実はかえって文字を読みにくくしていることもあります。そのような例を見てみましょう。

このように、文字が見えにくくなってしまわないよう、色使いなどに配慮することを「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」といいます。カラーユニバーサルデザインには3つのポイントがあります。

  1. できるだけ多くの人に見分けやすい配色を選ぶ
  2. 色を見分けにくい人にも情報が伝わるようにする
  3. 色の名前を用いたコミュニケーションを可能にする

具体的な内容はリンク先の7ページ以降に書かれています。具体的な配色についても載っていて参考になります。

また、東京メトロの路線図では縞模様を付けて路線の区別がつくような工夫がされています。

デザインするときには単に見た目の綺麗さだけではなく、伝えたいことが伝わるような工夫を考えて、多くの人に見やすいデザインを目指すことが必要だと思います。それではまた。

Posted by 春日井 優