ブラックジャックでヒットすべき?スタンドすべき?(高校生が考えたモデル化とシミュレーション05)

モデル化とシミュレーション

こんにちは。乱数を使ったモデル化とシミュレーションの例を紹介します。

2016年の授業で,生徒がグループ活動で考えたアイデアを基に記事を書いています。

2016年はアメリカ大統領選挙の年で,オバマ大統領が2期8年務めた後任の大統領を決める選挙でした。

トランプ候補(後の大統領)とヒラリー・クリントン候補が激しく競り合っていたことから,トランプをシミュレーションしてみよう!となったようです。

で,比較的シミュレーションがしやすいと考えたのが,ブラックジャックだったようです。

ブラックジャックのかなりざっくりとしたルール

ディーラーとプレイヤーとで,カードの数字の合計が21に近くした方が勝ちというゲームです。

カードの数字をそのまま使わない例がいくつかあります。

  • 絵札(J・Q・K)は10として扱う
  • A(エース)は1または11として扱う

カードは最初,2枚配られます。

さらにカードを配ってもらうことも,そのままで勝負することもできます。

カードを1枚追加で配ってもらうことをヒット,現在の合計で勝負することをスタンドといいます。

ヒットした結果,21を超えてしまった場合をバーストといいます。

バーストになると即時で負けになってしまいます。

シミュレーションしてみよう

とにかく仮にヒットした場合にどうなるかをシミュレーションしてみます。

はじめにトランプをシャッフルする様子をシミュレーションしてみます。

ジョーカーを除く52枚のカードをシャッフルするには,52個の0以上1未満の乱数を発生させて順位を付けます。

厳密には52個の乱数が一致してしまう可能性が皆無ではないのですが,目を瞑ることにします。

これで,1から52までの整数がランダムな順番で発生します。

この値から1引くことで,0から51になり,13で割った商が0から3まで13個ずつになります。

この商をトランプのマークと対応付けることにします。

例えば,0…スペード,1…ハート,2…ダイヤ,3…クラブとしましょう。

13で割った余りに1足した値をトランプの数字とします。

1…A,11…J,12…Q,13…Kとします。

配ります。1枚目をプレーヤー,2枚目をディーラー,3枚目をプレーヤー,4枚目をディーラーにします。

計算のしやすさでは,交互にしない方がよいのですが,本当に配っている感じを出すためにこだわってみます。

5枚目のカードは,プレーヤーがヒットしたときに配られるカードになります。

Aが1でも11でもどちらにもできるので,Aが配られた枚数も調べておく必要があります。

ここまでの値を使って,はじめに配られた2枚のカードの合計と,ヒットしたときの3枚のカードの合計とをクロス集計してみます。

20000回ほどシミュレーションしてみました。

シミュレーションした結果から

上の表を見ながら,方針を考えてみます。

最初の2枚のカードの合計が11未満の場合には,ヒットしたときに絶対にバーストすることはないので,絶対にヒットします。

最初のカードの合計が12・13・14あたりでも,ヒットするとバーストしてしまう確率が案外高いようです。

10・J・Q・Kの4種類も10が加えられるカードがあるのは,大きな影響を与えます。

それでも,元の合計よりもヒットした方が値がよくなる確率も高いので,ヒットすることにしようと思います。

15のときには,値がよくなる確率よりもバーストする確率の方が高くなってしまいます。

バーストしないことが目的ではなく,ディーラーに勝つことが目的なので,とりあえずヒットすることにしてみます。

16・17あたりがスタンドする境目になるかと思います。

18~20のときは,合計がよくなる確率は低くなり,バーストする確率は高くなってしまうので,スタンドすることにします。

21の場合には,Aが含まれているのでバーストすることは絶対にありませんが,ブラックジャックになっているのを崩す必要はないので,スタンドです。

これで,とりあえず方針が決まりました。

今回はこれでおしまいにします。それではまた。

Posted by 春日井 優